第七話:誓言 剣はあるべき者の元へ

(執筆者:詠羅)

 

 

ハルトは泣き疲れたティアを抱き上げて、館内の救護室まで連れて行ったが、数日にかけて野外を飛び回り、ドレスがボロボロになってしまった事以外、目立った外傷はなく擦り傷やかすり傷だけだった。
治癒魔法を唱えてもらう間も、ハルトから離れようとしないティアに救護班は困った表情をみせつつもちゃんと怪我を治癒してくれた。

「……ティア」
「……ハルくん?」
「悪かったな……」

目を合わせず呟くハルトに、ティアは少し考え、頬を空気で膨らませた。そしてハルトの胸に抱かれたまま、彼の顎を引っぱたく。
乾いた音が鳴り、ハルトが思わず咽せた。

「なんで勝手に居なくなっちゃったの!! 相談してくれたっていいじゃない!」
「ティ、……ティア」
「パパがハルくんにヤキモチを妬くなんていつもの事なのに……ハルくん、本気にして……」
「けど、今回は事情が……婚約……するんだろ?」

ティアの瞳が再び潤んだ事に、ハルトは思わず青ざめた。
地雷を踏んだらしい。

「ハルくんのばか!」

平手打ちかと思えば今度は下から拳で殴られた。
想像以上の痛みに、嗚咽じみた声を発する。

「婚約なんて知らない。絶対やだもん! あたしは……」

いい詰まるティアに、ハルトは少し照れた表情を見せると、そっとティアの前髪をずらした。
人目を気にした様子も無く、彼は彼女の額へ唇を落とす。

「俺が悪かった……。もう、何処にも行かない」
「……うん」

髪を撫でるハルトにティアは再び寄り添う。
そんな様子を、ジンは向かいでカナトに手当てされながら見ていた。
羨ましい。
自分もあんな風に彼女と過ごしてみたい。

疲れもあり、ボーッか観察していると腕の擦り傷に痛みを感じて思わず飛び上がった。
消毒をするカナトが、ジト目でこちらを見ている。
これが女の子だったらどれほど癒されるか……。

「なんだその顔は……私では不満か?」
「そ、そんな事ねーし……」

けが人が多い為、魔法治癒を遠慮したらカナトが代わりに手当てをしてくれる事になった。
大した怪我はないが痛みが強い擦り傷が多く、消毒薬がしみる。
包帯と絆創膏が貼られ、一通り手当てが終わると入り口にのキリヤナギが姿を見せた。

「カナト、ジン。今からモーグに向かよ。アクロポリスに帰るなら城に乗り換えてね」
「このまま帰れないんすか?」
「この庭はモーグ傭兵団の庭で、モーグシティのターミナルに格納されるんだ。忘れものしないようにね」
「りょ、了解っす」

「あとハルト。城でちょっと色々聞きたいんだけどいい?」
「構わないが……」
「ありがと、すぐ終わらせるし安心して、それと……ティア嬢……」

「は、はいっ」
「モーグシティにご家族がお迎えに来てるってさ」
「!」
「自家用の庭でこられた見たいだし、すぐ帰れるよ」

キリヤナギの穏やかな笑みに、ティアはほっと肩を撫で下ろしたが、同時に複雑なものを感じていた。
ティアを抱く彼は、もう家から追い出されてしまっているからだ。

「大丈夫だ。もう離さないから……」

不安な彼女の表情がぱっと明るくなり、ティアは再びハルトへと体を預ける。

そんな5人を乗せた庭は、無事モーグシティへと戻り、城で起きた事を大まかに伝えた後に帰されることになる。

モーグシティのターミナルで、ティアの帰りを待つアミュレット家の彼らは、現れた彼女に駆け寄ろうとするも、彼女が腕を抱くドミニオンに足を止める。
だが、後ろにいた淡いドレスの女性がローレンスに微笑み、長男のディオルが代わりにハルトと向き合った。

「ハルト……ありがとう」
「お兄ちゃん……」
「ティア、おかえり」

ようやくハルトから離れ、ティアは兄へと抱きついた。
ディオルは涙ぐんだ瞳で彼女を抱きしめ、ローレンスとその妻であろう女性も彼女の帰りを受け入れる。
在るべきものは、在るべき場所へ戻ってゆく。
それを肌で感じ、後ろで見ていたカナトとジンが立ち去ろうとした時、傍にいた金髪の青年もまた、前にでてきた。

「ハルト、 よくやってくれたね!」
「……フレッド。てめぇ何しに来た」
「ティア姫を迎えに来たんだよ。ありがとう」

顔をしかめたティアは、ディオルから離れハルトで後ろに隠れる。

「本当、君にお願いしてよかった。流石、演習に参加していただけのことはあるね」
「お願い? 君がハルトを呼んだのかね? フレッド君」
「えぇ、ローレンス様」

後ろにいたローレンスと妻であろう女性はお互いに顔を見合わせる。
当たり前の反応だろう。誘拐された娘が追い出した人間と帰ってきたのだから、
しかし、それでも話は違う。

「てめぇに頼まれた覚えはねぇ!」
「隠さなくてもいいさ。私の言葉に激昂して行動したなら同じこと、いい方向に行ってよかったよ」

「ハルくんを……呼んでくれたの?」
「そうだよ、姫……。そうだろう? そこの堕天君」

奥にいるカナトが指を刺され、ジンは思わず息を詰めた。
ハルトに救助を要請したのは、フレッドではなくディオルだ。
しかしあの時のディオルは、ローレンスにハルトを向わせることを伏せていると言っていた。
ここでカナトがディオルだと宣言すれば、ローレンスの意向から反いたとしてディオルは咎められてしまう可能性がある。
ですぎた発言は控えなければならない。

「お願い……と取れるには程遠い言動ではございましたが、……あのお言葉が原動力なったのではと問われれば、理解できるのかもしれません」
「!? カナト……?」

遠回しな肯定にジンは思わず声をあげた。
しかし、カナトからディオルの行動を伝えるべきではない。ディオルがアミュレットの家の中でどれ程の影響力があるのかはわからないが、部外者である以上、相手の信頼を潰す発言は控えたいと思ったからだ。
にこやかに笑うフレッドを、ティアは不思議そうな表情でみせている。
苦い表情を見せるローレンスは、後ろの妻に小突かれ姿勢を直した。

「追い出した人間を救出へ向かわせた事は感心しないが……ティアを救い出してくれたことは間違いない。感謝するよ、フレッド君」
「私は、他の傭兵の方が救出に行っても不可能だと判断したまでです。ティア姫の生命を第一に考えた結果。姫の恋心を踏みにじる事になってしまった……申し訳ございません」

この言葉にディオルを含めた4人が唖然とした。
フレッドはティアを救い出した功績を全て自分のものに置き換えるつもりか。
ディオルが口に出せない事をいい事に好き勝手言ってくれる。

「ローレンス様、私にハルトを雇う許可を下さい……」
「ハルトを?」

「! ハルくんを雇ってくれるの!?」
「そう、そしたらティア姫とハルトはずっと一緒に居られるからね」

「てめぇ……」
「今はローレンス様に聞いているんだ。私がアミュレット家に居られないハルト雇えば、ティア姫はハルトとずっと一緒に居られるからね」

ハルトとずっと一緒に居られる。そう聞いて、ティアは迷った。
このまま家に戻って引き離されるよりも、フレッドについて行った方が、ハルトがいて幸せではないかと、
ティアとハルト、両方の心を分かっているフレッドは、この中で一番の理解者に思えた。

「ハルくんと、一緒に居られるの……?」
「彼が了解してくれればね……。てもティア姫が僕の元に来てくれるなら、彼も考えてくれるさ。ローレンス様は、かまいませんか?」

「……ハルトを雇うのは好きにするといい」
「ありがとうございます」

目の前で得た許しに、ハルトは愕然とした。
ハルトがティアを救い、連れ帰った事でハルトはフレッドに従ったと見なされたのだろう。
納得がいかない。だがディオルも口にするわけにはいかない。
手を差し出すフレッドに、ティアは一度ハルトから離れた。
離さないと決めたのに、結局、必要以上のことは望んではならないのだろうか。
そう思った時だ。

「違う!」
「!!」
「ごめん。父さん……、ハルトにお願いしたのは……僕なんだ」
「な、何を言い出すんだ。ディオル……」
「……使える手は全部使いたかった……でも今は感謝している。ありがとうハルト」

「ディオル殿が仰るのは事実です。ハルト殿への着信歴でわかるかと……」
「は……?」
「フレッド殿。どの様なお心持ちかは存じませんが、詭弁は程々がよろしいかと」

「どう言う事だね……?」
「父さん。ごめんなさい。でも僕にはこれしか方法が思いつかなかった。……罰でもなんでも受けます。だから、命懸けでティアを救ってくれたハルトを、もう一度信頼してやって下さい」

呆然とするローレンスは、返す言葉もないようだった。向き合い頭を深く下げる息子に、かける言葉もない。
ティアもまたディオルに並び、頭を下げた。

「パパ。あたしからもごめんなさい。もう我儘いわないから、ハルくんと……、一緒に……」

緩んでいた涙腺が再び涙を呼び起こし、前がぼやけて何も見えなくなってゆく。
でも、今伝えなければいけないと思った。
ローレンスは並んだ2人の兄弟を見据え、小さくため息を落とす。

何もできなかったのは、父であるローレンスの方だ。
行方を眩ました娘を、自分で探しにも行けず、ずっと心配したまま自宅に籠っていた。
息子は代わりに指揮をとり、自身が信頼するハルトに要請するしかなかったのだろう。
がむしゃらに、最も働いてくれたのはディオルか。
そして、それに答えたハルトも……。
ローレンスは震える二人に歩み寄り、その広い腕で優しく抱きしめる。

「何を謝ることがあるんだ……」
「っ!」
「今は、自分達を救ってくれた人に感謝をしなさい。……おかえり、ティア」

「パパぁ……ただいまぁ……」

再び響き始めたティアの声に、ハルトを含めた2人もほっと肩を撫で下ろした。
だがカナトは、何かに気づいたように背を向け
、ハルトもまた立ち去ろうとする。
全ては終わった事だ。
兄弟の願いからローレンスの返答がない時点で、結論はもう出ている。
だからもう、家族以外の人間がここに留まるべきではない。
そう思った時だ。

「ハルト、少しいいかね」

ローレンスが口を開いた。
一瞬何を言われたか分からなかったが、とっさに腰の武器を外し、床に置いて跪く。

「はい」
「先程言ったように、ティアを救い出してくれた事に感謝する。ありがとう」
「とんでもございません」
「君を再び護衛とすることは出来ない。が、相応の礼がしたいと思っている」
「……!」
「返事はすぐ出なくてもいいが、1つだけならば、力になろう」

フレッドが青ざめ、またティアとディオルの表情が、ぱぁっと明るくなった。
望む事など1つしかない。
再びアミュレット家に入る上で、護衛以外の役職など、いくらでもあるからだ。
喜びの空気が立ち込める中、フレッドがそれを遮るように前に出た。

「お待ちを、ローレンス様。彼が居ては私とティア姫の縁談が……」
「その件だが……、ディオルの行った事を、あたかも自分の行いのように話すのは感心しないね」
「ディオル殿はディオル殿でハルトへ連絡していたのでしょう? 私はそれ以前に彼と話して……」

「他種族を侮蔑し、相手を見下した言葉に、誰が共感すると思われますか? フレッド殿」
「黙れ、天界人!! 」

「!? ……君は?」
「名乗らず失礼を、私はカナト・F・メロディアス。父を堕天・ルシフェルにもつ天界人です。お見知りおきを」
「ルシフェル……! これはこれは……」
「フレッド殿がハルト殿と対面する現場に立ち会っておりましたが、その現場にて心のない言葉の数々を伺い、残念でなりませんでした」
「……そうか」

「ちっ……」
「フレッド君。すまない、縁談の話は保留だ。君は一度、コントラクトの屋敷に戻りたまえ」
「ローレンス様。この言葉のみで信頼されるのですか!? あいつが天界の貴族である証明など何も……」
「……証明か。何かあるかね?」

カナトは少し考えた。
実家から持たされたものは幾らでもあるが、今日は急いで出てきた為、ナビゲーションデバイスの電子的な身分証明しか持ち出していない。
カナトはおもむろにナビゲーションデバイスを取り出し、音声の拡張設定をして通信を飛ばした。

「”カナト、遅いよ! そろそろ城をだすよ!?”」
「出たか。キリヤナギ」

目の前のローレンスとフレッドが、呆然としてこちらを見ている。
カナトはともかく、キリヤナギならアクロポリスでそれなりに知れているはずだ。

「今すぐターミナルに来い。走って5分以内だ」
「”え、なんで……。 僕ようやくお昼ごはんたべようとしてたのに………”」
「いいから来い。私の身分を証明しろ」
「”は!? なんで身分証明もってないんだよ!仕方ないなぁ!!”」

切れた。
きっとまたカップ麺だろうと思いながら向かいを見ると、どう見ても困惑している。
アクロポリスの封建騎士をタメ口で呼び出していのだ。誰でも困惑する。

「失礼。今しばらく……まもなくキリヤナギが来ます」
「君は……どう言う」
「キリヤナギとは友人です。そして私を守る騎士でもあり、こっちが親衛隊の1人。ジン」

「お、おう……??」
「キリヤナギが自身の代わりに置かせている護衛です」

「証明は?」
「ジン、あるか?」

ジンは迷わず、キリヤナギに持たされた長めの金属プレートを取り出した。
裏に部隊の紋章とキリヤナギの名前も書かれている。

「キリヤナギ個人は堕天・ルシフェルに仕えている天界の騎士であり、私はその後継……、キリヤナギの親衛隊であるジンが居る時点で証明は十分かと」
「……ふむ。よく分かった。疑ってすまない、騎士・キリヤナギが堕天・ルシフェルに仕えた話は知っている。私もアークタイタニアだからね、天界の話は聞いていたよ。ラファエルと結ばれた話も……」
「安心致しました。かの件はお騒がせして反省しております」
「いや、私はそのおかげで……」

ローレンスが言葉を紡ぐ横で、キリヤナギが城の巨大なハッチ階段から大急ぎで降りてくる。
鎧の重さを感じさせない走りで、キリヤナギはこちらに向かってくるとダインスレイブを手前に置いて跪いた。

「騎士・キリヤナギ。お呼びに預かりここに参上致しました。我が君」
「よく来てくれた。だがもう戻っていいぞ」
「は!? 」

思わず叫んだ。
カナトは悪びれた様子もなく明後日をみている。

「ひどい! 僕走ってきたよ! 5分以内で間に合ったよ!」
「そうだな。呼び出して悪かった。だがもう問題は解決した」
「僕のことなんだと思ってるの! ラーメンのびちゃってるよ! グランジが食べてそうだけど!」

やっぱりカップ麺だった。
相変わらず食生活が雑で心配になってくる。
しかし、証明はできた。キリヤナギは怒っているが、十分でもある。
呆然とする4人の前で、カナトは咳払いをすると改めてローレンスに向き直った。

「キリヤナギは確かにここへ来ました。これで私がメロディアスの人間である証明には十分かと」

「そうだな……。フレッド君。悪いが彼を信じさせてもらう、口は慎みなさい」
「……くそ」

フレッドの悪態に、ローレンスは小さくため息をついた。
元々見えない性格だと思ってはいたが、立場が悪くなるとボロが見える。かわいそうな子だとローレンスは少し同情した。

「さてハルト。先ほどの話。答えは急がないが……」
「はい。ありがとうございます。しかし差し出がましく存じますが、既に決まっております」
「……ふむ。なんだね」

「アミュレット家の長女。ティア・アミュレット様を……私に下さい」

空気が一瞬で凍りついた。
聞いていたカナトを始め、ジン、キリヤナギ。
妻、ディオルでさえも唖然とする。
何を言われたか分からずローレンスは、耳にはいった言葉を繰り返した。
またティアはそれを聞いて再び飛び立ち、驚きと嬉しさをそのままにハルトへと抱きつく。

「なる! あたし、ハルくんのお嫁さんになる!」
「ティア……ありがとう」

泣いていた彼女の表情が笑顔に変わり、ローレンスは再び言葉が出なくなってしまった。
辛い表情を浮かべた彼女を一瞬で救い、笑顔にできるのは、他ならぬ彼が唯一で、そこに代わりなど存在はしないのか。

「ふざけるな!!」

ローレンスの横で、フレッドは抱きつく二人へと叫んだ。持っていた日傘を投げつけ使用人が宥めにはいる。

「ティア姫とは、私が結ばれると言った筈だ!」
「見苦しいな。フレッド」
「黙れ! 低俗ドミニオンが!! この私がお前なんかに!!」

喚き始めたフレッドにその場が騒然となってゆく。
そんな中、ローレンスは横の妻に再び小突かれ、ようやく冷静さを取り戻した。

「他人を卑下にするのはやめたまえ。一度落ち着いてから考えるんだフレッド君」
「ちぃ……」
「だがハルト。君の願いもすぐに答えは出せない。今は決意だけを受け取るので、一度詳しく屋敷で話させてくれ」

「はい。ありがとうございます!」
「ちくしょぉぉ!!!」

殴り掛かるフレッドは、怒りに歪んだ形相でこちらへと向かってくる。
右に拳を構え、顔面を狙っているようだった。
軽い。

ハルトは顔に受けるまでも無く、目前の手首を掴みそれを止めるた。
驚くほど力が弱く、腕も細い、強く握れば折れそうなその腕はおそらく過激な運動とは無縁の生活を送ってきたのか。
小さく震える拳に呆れすら覚え、強く握り返す。

「握手なら、もう少し丁寧にしてくれ……」

対人なら恐らく相手にすらならないだろう。
殺気を込めて睨むと、フレッドはようやく力を抜き腕を引いた。

「暴力は感心致しませんね。フレッド殿……」
「……メロディアス」

悪態をつくフレッドは、それ以上の言及をやめた。カナトが見ている以上、これから先は墓穴を掘りかねないからだ。

「それでは私はアクロポリスへ戻ります」
「カナト君か、ありがとう。色々と助かった」
「こちらこそ、本日はお会いできて光栄でした。また機会があれば……」

カナトは軽く会釈をして、ジンと困惑するキリヤナギと共に城へとむかう。
キリヤナギは酷く機嫌を損ねているが、カナトは気にした様子も無かった。

「……では私達も屋敷へ戻る。フレッド君は一度、コントラクト家の屋敷に帰って今日の事をお父上に伝えるように」
「は……」
「気の立っている君を、この2人と一緒に置いておきたくはないんだ。分かって欲しい」
「そんな、ローレンス様……」
「頼んだよ」

ハルトの背中を押しローレンスは、自身の自家用の庭に乗るよう促してくれる。
傍にはティアがいて、その兄ディオル。ティアの母のいる環境はハルトが誰よりも望んだ結末だった。
またそれを見送り、残されたフレッドは膝をついて崩れ落ちる。


 

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